


Dream Chip Technologiesが22nm FD‐SOI初の自動車運転支援SoCを発表
アドバンスト・ドライバー・アシスタンス・システム(ADAS)コンピュータ・ビジョンSoCがGLOBALFOUNDRIES’22nm上でヨーロッパのTHINGS2DOプロジェクト用に開発。
Dream Chip Technologiesは本日、バルセロナで開催されたモバイル・ワールド・コングレスで、自動車用コンピュータビジョンアプリケーション向けの新しいADASシステムオンチップ(SoC)を業界初の22nmFD-SOIで作成したことを発表しました。 SoCは、欧州委員会のENIAC THINGS2DOリファレンス開発プラットフォームの一部として、ARM、Arteris、Cadence、GLOBALFOUNDRIES、およびINVECASと協業して作成されました。
このSoCは、高解像画像の取り込み、および処理機能を行い、複雑な自動車の物体認証および処理を行うための畳み込みニューラル・ネットワーク(CNN)ビジョン・ワークロードを受け持ちます。 このADAS SoCは非常に低い消費電力でハイエンドのコンピューター・ビジョンの処理を行うために高度に最適化されており、量産レベルの自動運転を可能にし、道路標識認識、車線逸脱警告、ドライバーの注意散漫警告、死角検出、サラウンド・ビジョン、パークアシスト、歩行者検知、クルーズ・コントロール、緊急ブレーキなど様々なADAS機能をサポートできます。
この設計はCadence Tensilica Vision P6DSPおよびARM®Cortex®-A53プロセッサのクアッド・コアクラスターと組み合わせたDreamChipTechnologiesの画像信号処理パイプラインで構成されています。 さらにロックステップ・ペアのCortex-R5プロセッサでISO 26262準拠の機能安全を提供し、SoCはArterisFlexNoCネットワーク・オンチップと相互接続されています。 SoCは、ファンデーションIPを始めとするLPDDR4、PLL、温度センサー、プロセス・モニターなどの複数のINVECASのIPを使用しています。 またCadenceのLPDDR4コントローラーとINVECASのLPDDR4PHY IPを組み合わせて2つのLPDDR4 3200高帯域幅メモリ・インターフェイスが作られています。
DCTのマネージング・ディレクター兼共同創設者であるJens Benndorf博士は、次のように述べています。 「このプロジェクトでは、自動車業界向けに全く新しいプロセス技術を使用してシリコンを提供しました」 彼は次のように付け加えています。「このプロジェクトは、ヨーロッパの半導体業界の強みを示すだけでなく、高度な自動運転ソリューションを強化するために必要となる技術を提供するために業界が効率的に協力することができることを証明しました」
Dream Chip Technologiesは、世界中の顧客向けに多くの非常に複雑なSoCを設計しており、このTHINGS2DOプロジェクトの設計サービス・リーダーとして選ばれました。 このプロジェクトは、カメラベースのADASリファレンス・プラットフォームを作成するものでした。このプラットフォームの高度なテクノロジーを通じて、自動車イノベーションの設計サイクルと市場投入までの時間を短縮することにより自動車会社に利益をもたらすことができます。 SoCは、ドイツのドレスデンにあるGLOBALFOUNDRIESのFab1施設22FDX®半導体プロセスで製造されています。
新しいADASプラットフォームは、さまざまなADASアプリケーション向けにコスト、パフォーマンス、電力が最適化されたSoCを必要とし、カスタマイズの可能性がある自動車のTier-1のお客様を対象としています。
クアッドコアCortex-A53プロセッサ構成の選択は、自動車用ビジョン・アプリケーションを管理するためのコンピュータ・ビジョン・アプリケーションで一般的な選択肢です。 このコンピュータ・ビジョン・アプリケーションで複数のスマート・カメラを使用することによって、より高度な自動運転システムを実現することもできます。
「このプロジェクトは、自動車業界で最も複雑な問題のいくつかを解決することに焦点を当てたヨーロッパのチップ設計者を後押します」と、ARMのCPUグループのゼネラルマネージャーであるNandanNayampally氏は述べています。 「クアッドコアARMCortex-A53構成を使用し、Cortex-R5がセーフティ・クリティカルな側面を強化することで、Dream Chipは自動車のビジョン・セクターに高い基準を設定する非常に効率的で機能的に安全な処理を行うソリューションを生み出しました。 これは、検出センサーからインフォテインメント、ADAS、自動運転に至るまで車両へのARMテクノロジーの急速な展開が進んでいることを表しています。」
GFのIoTおよびオートモーティブ担当バイスプレジデントであるRajeev Rajanは、次のように述べています。 「GFの22FDXは、自動車のビジョンおよびカメラのADASアプリケーション向けに電力効率とパフォーマンス効率の高いソリューションを設計するための理想的なプラットフォームです。 我々のマイルストーンは、自動車市場をサポートし協力していくという私たちのコミットメントを確認するものです。」
INVECASのCEOであるDasaradha Gude氏は、次のように述べています。「このコラボレーションにより、GLOBALFOUNDRIESの22FDXテクノロジー向けのシリコン実証済みIPの主要プロバイダーとしてのINVECASの地位は益々確立されることになり、このプログラムに貢献できることを非常にうれしく思います。 Foundation IP、Multiprotocol SerDesなどのインターフェイスIP、DDR34 / LPDDR34、MIPI、HDMIなどのINVECASの豊富なIP製品ファミリーにより、ヨーロッパでのコネクテッドカーの次の波に対応する自動車市場向けの複雑なSoC設計が可能になります。 私たちの役割は、シリコンで実証済みのIPおよびASICソリューションを提供して、今日の半導体業界が直面する、ますます増大する設計の複雑さの課題に対処することです。」
Dream Chip Technologiesについて
Dream Chip Technologies GmbH(DCT)は、大規模なASIC、FPGA、組み込みソフトウェア、および自動車ビジョンシステム(ADAS)に重点を置いたアプリケーションの開発を専門とするドイツ最大の独立系デザインサービス企業です。 世界中のさまざまな産業部門の企業は、DCTの専門知識と卓越したエンジニアリング・スキルに依存しています。 DCTの使命は、高度なビジョン・テクノロジーによって顧客をサポートし、コアビジネスを怠ることなく新製品を発売できるようにすることで、需要と提供のギャップを埋めることです。 この戦略で製品の革新を通じてビジネスの安定性と着実な成長を同時に保証します。 DCTの本社は、北ドイツのハノーバー近郊にあります。詳しくは、同社ホームページ「www.dreamchip.de」をご覧ください。
INVECASについて
INVECASは、ディープ・サブミクロン・テクノロジーで対応すべき様々なチャレンジに対処するために設立された会社です。INVECASは、高速アナログIP、基本IP、ASIC設計、および組み込みソフトウェアのノウハウをすべて社内に集約し、高速な計算を必要とするアプリケーション、通信、モバイル、自動車、および組み込み市場のための完全なASICソリューションを提供しています。INVECASはまた、さまざまな市場セグメントのパワー、パフォーマンス、およびエリアの目標を達成するために主要なEDAツールベンダーとともに、AnalogおよびDigitalのための社内アドバンスドCADフローおよび設計方法論の開発に投資しています。INVECASは、ASICソリューションを、米国VTのサンタクララ、カリフォルニア州バーリントン、およびインドのベンガルール、ハイデラバードにあるオフィスを通じて提供しています。詳細については、http://www.invecas.comをご覧ください。